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建築設計はAI化、ロボット化するか?

2022年9月14日
建築設計はAI化、ロボット化するか?

住宅への要望は日々複雑、多様化していますが、設計事務所に依頼いただく物件は、更に複雑な条件の建物が多いように思います。 

私としてもなるべく予算の中で要望を満たすために頑張って、法律、構造、省エネなどの諸条件の中でですが、要望を満たすように工夫します。

その結果、図面が複雑になったり、情報量が多くなったりすることもあります。

それは仕方がない事として、間違えやすいと思うところは、事前に現場監督に伝えたり、早めに現場に確認に行ったりして、間違いが起きにくい努力をするわけです。

「標準的の納まり」だけで構成できれば一番間違いは少ないと思いますが、なかなか・・・

 

他業種の方にしてみると、なんて精度が悪く不効率な仕事をしているんだろう、と思われるかもしれません。

シープのような設計事務所物件は、本当に毎回「むしろ違うものを創ること」を意識して設計している面もある為、標準化が難しいです。

しかし実は、バックステージや大多数の部分は、ある程度のマニュアルや標準化をしていますが、

少なくとも、見える部分となる仕上げ素材の組み合わせや間取自体、カタチそのものは違うように見せたり、オンリーワンに近いフルオーダーデザインを考えるわけです。

そして、デザイン的にはリファレンスがあっても、敷地条件や法的要素で同じものは存在しないのが建築です。

住宅という複雑で多機能、正解も不正解も無数ある、「プロダクト」(あえてプロダクトといいますが)の答えを探す過程から、完成させるまでの作業を共にするのが設計監理。

設計事務所のスキルとして、いわゆる建築の知識はもちろんですが、すごく臨機応変さやコミュニケーション能力が大切と思っています。

 

そうこう言っている間に、AI化やロボット化するかもしれません。

今のところ、法律で認められている条件の幅の広さを考えると、まだまだ多様性が許容されていて、それだけに建築主も設計者も、建築業者もメーカーも、良くも悪くも迷うことが出来るため、そこを交通整理するだけでも人間の設計者が必要そうです。

 

そして、デザインや生活様式の多様性も、経済格差も・・・もうしばらく設計者を活躍させてくれそう・・・と祈りと楽観視をする今日この頃。

(2020年8月23日ブログより抜粋)