地盤調査

「地盤調査」というのは、建物が建つ敷地に対して、建物を支える「支持力」つまり地盤の強さを調査することです。
シープでは大きく二つの調査方法を選択します。
一つは、主に木造2階建て以下の住宅に採用する「スウェーデンサウンディング試験」という方法。
もう一つは鉄骨造や、3階建て以上の建物の場合に採用する「ボーリング調査」という方法です。
この二つは、調査方法も、取れる試験結果も、費用も違うので、適切に使い分けなければいけません。
地盤は直接見えないし、地域や、その敷地自身の特性や、建つ建物によっても、それぞれ違います。実際に調査してみないとわかりませんし、いろいろな判断の仕方があります。
調査方法、調査会社、地盤保証会社や、地盤改良が必要となった場合の工法など組み合わせでも、費用や安全性、信頼性が変わってくるのでとても難しいものです。
例えば、「費用をいくらかけてもとにかく安全に・・・」といって過剰に大きな改良工事をしていくならば判断は楽ですが、その分建物への費用を圧迫することにもなりかねません。それも、お施主様のお金ですから、設計者として怠慢に思います。
かといって、ギリギリを狙いすぎて、自然沈下してしまうような地盤ではもちろんいけない。
一番良いのはギリギリセーフよりちょっと安全。というラインと思います。
それを知るために設計者は、いろいろな調査方法、計算方法、工事方法を調べて、経験を重ねて精度を高めていく立場だと思います。
これは地盤についてだけでなく、建物全体についてですね。
ビジネスとして考えた場合、基本的にはなるべく、同じことを繰り返した方が、効率が良くなり利益率が上がります。しかし、設計者・技術者としては、新しいこと、初めてのことも適度に織り交ぜながら、もちろん、新しいものに取り組むときには慎重に調べたり、比較検討しながら、経験を深めていくのが良いと思います。
(2020年2月5日ブログより抜粋・編集)